ドイツ演劇

◎ドイツ文化会館で、JOSSI WIELERヨッシ・ヴィーラーさんのトーク。久々のドイツ演劇セミナー。
http://www.goethe.de/os/tok/jpindex.htmより。

今春から1年間、「日本におけるドイツ2005/2006」、通称「ドイツ年」が開催されます。ドイツ年文化プログラムではさまざまな企画が展開されますが、なかでも今年8月に世界初演が予定されている日独演劇プロジェクト・シアターXプロデュース公演『四谷怪談 YOTSUYA KAIDAN』(鶴屋南北原作)は、真の意味での国際共同作業を目指すものです。演出家はドイツのみならずヨーロッパまたアメリカで、演劇・オペラの両分野で高い評価を受けているヨッシ・ヴィーラー。やはりベルリン在住で、昨年5月村上春樹の『アンダーグラウンド』のベルリンでの上演や、今年11月の二期会ハノーファー州立歌劇場共同制作『さまよえるオランダ人』の演出・美術も担当するなど、演出家としても活躍中の渡辺和子が、舞台美術・衣裳を手がけます。両者はハノーファー州立歌劇場で2004年、オペラ『ペレアスとメリザンド』で初めて共同作業を行い(演出・ドラマトゥルギ−:ヨッシ・ヴィーラー/セルジオ・モラビト、舞台美術・衣裳:渡辺和子)、題材をいまの時代に置き換えて聴き、読んでみるという試みを常に繰り返し、作品の内側から生まれてくる新しい演劇の形を率直にまた具体的に模索した結果、大きな反響を呼びました。今回『四谷怪談 YOTSUYA KAIDAN』の準備のために来日する両者を迎え、ヨッシ・ヴィーラーの演出作品を中心にヴィデオで紹介しながら、ドイツ現代演劇に詳しい新野守広氏(立教大学助教授)の司会でトークを行います。ヨッシ・ヴィーラー、渡辺和子両氏の仕事について直接ふれることができるだけでなく、『四谷怪談 YOTSUYA KAIDAN』に向けての意欲的な取り組みについても語ってもらえるでしょう。お誘いあわせの上ぜひお越しください。お待ちしております。


東京ドイツ文化センター 文化部 2005年2月

日時 2005年2月22日(火) 参加無料・トークは日独通訳つき
会場 ドイツ文化会館ホール、Goethe-Institut Tokyo
(ドイツ文化会館1F、定員200名、地下鉄青山一丁目駅下車徒歩8分、草月会館の裏)
プログラム
18:30-
19:15 ヴィデオ上映(「ペレアスとメリザンド」、「ジークフリート」、「アルチーナ」、
ナクソス島のアリアドネ」、「真昼に分かつ」、「Wolken.Heim」などを予定)
19:30-
21:00 トーク  ヨッシ・ヴィーラー、渡辺和子、新野守広(司会)
協力 シアターX、(財)二期会オペラ振興会
問い合わせ 東京ドイツ文化センター 文化部 Tel. 03-3584-3201

 
■ヨッシ・ヴィーラー Jossi Wieler

演出家。1951年スイス生まれ。イスラエルの大学で演劇を学んだ後、1980年よりドイツやスイスの劇場で活動する。1994年、オーストリアの現代劇作家E.イェリネックの『Wolken.Heim(雲、家)』をハンブルグ劇場で演出し一躍注目を浴びる(演劇誌「テアター・ホイテ」により“1994年最優秀作品”に選出)。続くイェリネック作『彼としてではない彼』(ザルツブルグ音楽祭)、『Macht Nichts』(チューリヒ劇場)でも大成功を収める。1990年代半ばよりオペラの演出も開始。シュトゥットガルト歌劇場で『アルチーナ』『ポッペアの戴冠』『ジークフリート』『ノルマ』他多数演出。2001年、ザルツブルク音楽祭に『ナクソス島のアリアドネ』が招かれ、オペラ誌「オーパン・ヴェルト」による“2001年最優秀オペラ作品”に選ばれる。ヴィーラーとドラマトゥルグのセルジオ・モラビトは、その後“2002年最優秀演出チーム”に選出され、2003年にはハノーファー歌劇場で『ペレアスとメリザンド』(舞台美術・衣裳=渡辺和子)を演出、大成功を収めた。近年の演劇作品としては、エウリピデス作『アルケスティス』、レオノーラ・キャリントン作『犠牲祭』(ともにミュンヘン・カンマーシュピーレ)、ヨーン・フォッセ作『冬』(チューリヒ劇場)など。2002年9月、ベルリン芸術アカデミーよりコンラート・ヴォルフ賞を授与される。1997年3月、ドイツの現代劇作家タンクレート・ドルスト「パウル氏」を、ヨッシ・ヴィーラー演出、演劇集団円のメンバー出演で、シアターカイで上演している。


■渡辺和子(わたなべ・かずこ)

仙台生まれ。東京女子大史学科卒業を経て、ウィーン工芸大学舞台衣裳科卒。1972年よりオペラや演劇の舞台衣裳デザインを手がけ、1978年より舞台美術も手がけるようになる。1988年より舞台美術家・衣裳デザイナー・演出家を兼務して活躍。1997年、『Stecken, Stab und Stangl(杖、棒そして棹)』により“1997年ドイツ最優秀演出家ベスト10”に選ばれる。1999年、演出・美術・衣裳を手がけた『羅生門』を東京の新国立劇場にて上演。2003年、ヨッシ・ヴィーラー演出『ペレアスとメリザンド』(ハノーファー歌劇場)の舞台美術を担当、好評を博す。2005年には「日本におけるドイツ年」で、二期会オペラとハノーファー州立歌劇場との共同制作作品『さまよえるオランダ人』を演出。


◎「ぺレアスとメリザンド」:象徴(作用)の排除。「オープン」であること。
アルチーナ」魔法オペラ。マジックオペラ?
イェリネクの、「雲、家」。大変、面白そうだ。
 原作戯曲:膨大な引用テクストがあるだけで、舞台設定も人物設定もない。モザイクーコラージュスタイル。詩人、思想家の文のコラージュ。:各文は、各イデオロギーに対応している。
ノローグ。
女たちとして設定。女たちは、男たちの言葉を定義しようとするが、失敗する。
突然、ラジオが流れるシーン。トリスタンとイゾルデ前奏曲を使用。自分をナショナルなものとしてどう定義するか。
「Wir,Wir…」 「わたしたち」とは誰か。ナショナルアイデンティティ

クローデル「真昼に分かつ」。
きれいな舞台装置。下手壁で、自分たちの話しをする、4人。

ナクソス島のアリアドネ」は、不良娘と、ドメ男(らしき)の彼。まあ、ここまでのは始めてみた。
uさんと終わったあと、「世俗化」ないし「世俗主義様式」について。
後半は、こてこてのギリシア古典風らしい。
ジークフリート」でぶの。これも、uさんがいうように、キース・ウォーナーのヴァーグナーよりも、徹底させている。こういうオペラ、ふつうに、新国立でやったら、どこまで笑いが起こるだろうか。というか、これだったら、いまの高校生だって、オペラを楽しむことができるかもしれない(オヤジ的だな)。
この時の「指輪」は、4作品、それぞれ別の演出家がやったらしい。それも面白い。

ラース・フォン・トリアーがオペラ演出に起用されたとも聞く。

iさんと、ペーター・ツァディックについて。
岩渕先生の、イェリネクとネストロイ(?)と、四谷怪談、歌舞伎。
忠臣蔵としての四谷怪談
ネストロイ:ヴィーン古典喜劇。

イェリネクは、コミカルな大衆作家がお好き。ワイルドのインポータンツオヴイングランド?の翻訳。
(追記→The Importance of Being Earnest,Oscar Wilde のことだろう)
http://www.cliffsnotes.com/WileyCDA/LitNote/id-29,pageNum-5.html

ネストロイと歌舞伎。大衆演劇、民衆演劇。コミックー社会諷刺。

ドラマトゥルグについて。起源:レッシングのハンブルクドラマトゥルギ(ハンブルク演劇論)。
シャウビューネによる復興。「理想的観客」としての。演出家や美術家よりも、作品に対して、距離を保てる。
ドイツ演劇におけるパトロネージ。18cよりの制度的サポートの歴史。領主・王侯たちが、威信をかけてサポート。

yさんより、ヴィーラーさんはむかし、デュッセルドルフのシャウシュピールハウスの演出助手をやっていたという。ということは、ぼくがホーゲさんの「タンツゲシヒテン」で踊ったあの劇場ということだ。ティードマンの「こわれがめ」も見た。


デュッセルドルフ・シャウシュピールハウス http://www.duesseldorfer-schauspielhaus.de/

イマージュオペラについても批評で言及してくださった、新野守広さんの新著。
新野守広「演劇都市ベルリン」れんが書房新社。2000円。
ハイナー・ミュラー、フランク・カストルフ、ルネ・ポレッシュ、クリストフ・マルターラー、サシャ・ヴァルツ、トーマス・オスターマイヤー、ミヒャエル・タールハイマー、マリウス・フォン・マイエンブルクらに言及とのこと。新野さんのドイツ演劇セミナーには、本当に、お世話になった。

◎日本におけるドイツ年2005/2006
http://www.doitsu-nen.jp/index_JA.html

 ○フランク・カストルフ/ベルリン・フォルクスビューネ「終着駅アメリカendstation amerika」
会場/世田谷パブリックシアター 世田谷区太子堂4-1-1
TEL. 03-5432-1526 田園都市線世田谷線三軒茶屋」駅となり
http://anj.or.jp
【全席指定・税込】
A席(1・2階席)4,000円/B席(3階席)3,500円 学生2,500円

 3月25(金)17:00,26(土)19:00 ,27(日)19:00,28(月)17:00

問い合わせ/東京国際芸術祭(TIF) TEL. 03-5961-5202 tif@anj.or.jp


原作: テネシー・ウィリアムズ (『欲望という名の電車』)
脚色・演出: フランク・カストルフ 美術: ベルト・ノイマン
ドラマトゥルク: カール・ヘーゲマン 照明: ローター・バウムガルテ
出演: カトリン・アンゲラー/ヘンリー・ヒュープヒェン/ シルビア・リーガー/ベルンハルト・シュッツ/
ブリジット・クブリエ/ファビアン・ヒンリックス


ドイツ・ベルリンよりフォルクスビューネが初来日し『終着駅アメリカ』を上演します。
舞台はコンテナ・ハウスにも見える低所得者向けのワンルーム住宅。その舞台を革命歌『ワルシャワ労働歌』 や『ベイビー・ワン・モア・タイム』などのアメリカンポップスが流れ、 ベルリンの壁崩壊後15年の歳月を経てもなお内在する再統一後のドイツが抱える問題があぶり出されます。猥雑でグロテスク、でもコミカル! 鬼才カストルフが放つ過激で刺激的な舞台です。

 ラインアップ。
 
ピナ・バウシュ「ネフェス」6/11-16
 ○トーマス・オスターマイヤー/ベルリン・シャウビューネ「ノラ」2005,6/17-21世田谷PT
○ベルリナー・アンサンブル「アルトゥロ・ウィの興隆」演出ハイナー・ミュラー。6/22-30
  マルティン・ヴトケを生で見れる。
 ○トーマス・オスターマイヤー/ベルリン・シャウビューネ「火の顔」2005,6/24-26世田谷PT
  ドイツ文化会館での演劇セミナーで見たが、大変、おもしろいものだ。しかし、二日だけとは。
○シュウビューネ「ダヴァン」7/23-24
 ○ヨッシ・ヴィーラー演出「四谷怪談」シアターX 8/5-14
○ヨッヘン・ローラー8/8ー21 WS.於京都。
ヂュッセルドルフで見たパフォーマンスは、ダンスがいかに商品であるかの自分の体験を事例とした報告的な作品だったが、ああいうの、日本であるのだろうか?知らない。
○コンスタンツァ・マクラス&ドーキーパーク「Back to the present」
   2005,10/29-30。京都 11/3-5青山劇場 
 ○アンティエ・プフントナー「自分のこだわりeigenSinn」11/8-9青山劇場
 ○フォルクヴァング・タンツ/ヘンリエッタ・ホルン「ラーケンハル」2006,2/21-22「銀色の海のアーティチョーク」2006,2/25-26
ヘンリエッタには大変お世話になった。去年は見逃したので、いかなくてはならない。
ドイチェス・テアター(ドイツ座)「エミリア・ガロッティ」演出ミヒャエル・タールハイマー2006,3.
これもやはり生で見ないといけない。
○ルネ・ポレッシュ 2006,4月。ベニサン・ピット
 このひとのも傑作、というか、現在を代表する方だと思われる。麻布dpでお会いしたことがある。
○ヤン・プッシュ「マッチ」2006,4/1-2 世田谷PT 

いずれも予定で、変更ありとのこと。 

ドイチェス・テアターhttp://www.deutsches-theater.berlin.net/

yさんへの感謝のしるしに。