2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

資源・エネルギー・反短期的観点

露伴先生のおっしゃった自立論は、資源問題についてもいえる。 昨今、石油資本の蠢きによって、ますます各国で「資源ナショナリズム」が勃興し、日本は石油獲得戦争に負け続けている。この自国の資源は自国で管理しようとする「資源ナショナリズム」によって…

「ジャパニズム」としての「小国主義」

そういう意味で、日本至上主義という意味ではなく、日本の理念を構築するという観点からの「日本主義=ジャパニズム」が構想されなくてはならない。 それのひとつが、石橋湛山とサミュエルソン経由で私が現在考えている「小国主義」である。それは「反帝国主…

朝鮮半島認識問題と「神の国」

なお、露伴先生は、別の文「評判や噂に囚われず事実に就いて自己の判断を下せ」において、ドイツのベルギー侵攻について憤り、これでは秀吉の明を討たんがために朝鮮に道を借りんとしたことと同じだといいながら、「無道」とおっしゃる。それはいいのだが、…

露伴の戦争論

露伴先生が戦争について面白い言い方をしていた。 動物力が智巧の加はつた武器を持って争うのが戦争である。戦争の目的は敵の力の破壊であるが、戦争は破壊の競争である。破壊は偉い事ではない。破壊で偉いのは人として偉いのではない。人として偉いのは、平…

折口信夫

青空文庫で折口信夫の文章が結構読める。有難い。 http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person933.html

系譜学について

あとたまたま調べたら、系譜学というのは、いわゆる家系図のことらしい。そういう意味では、ニーチェ=フーコーの系譜学は、日本でいえば、民俗学にも比すべきものだ。 なるほど、続続リンクしてきた。

最悪なる世界への希望

このフーコーの文をいかに読むかは当然のことながら様々であろうが、やはりこれはひとつの希望の原理として読みたい。 現実に生起する出来事を見れば見るほど、世界はますますひどい方向に向かっているように見える。 しかし、考え方次第では、これまでもひ…

抵抗点について

権力のあるところに抵抗がある。にもかかわらず、あるいはむしろそれがゆえ、抵抗は権力に対して外側に位置しない。…権力関係は、無数の多様な抵抗点との関係においてしか存在しない。 …可能であり、必然的であるかと思えば、起こりそうもなく、自然発生的で…

「権力の局地的破廉恥」と「革命の松明」:フーコー

話があちこちいくのは、もはや私の症状で、そんな私にブログ形式は向いている。わたしは根っからの反全体主義で、もはや「統合」という事それ自体、縁遠い。しかしいまだ「ビクトリア朝に住む人間」は、統合性や一貫性を好む。 しかるに、今日の権力はといえ…

サミュエルソンの日本論:スイス・北欧の小国モデル

紛失したが、たしか今年の1月2日か3日ころの日本経済新聞の社説に、アメリカの経済学者ポール・サミュエルソンが日本経済に対して簡単な提言をしていた。 前半部分は現状分析で、内容は忘れたが、ネットで拾える。だが私には、いまの日本経済の分析もさる…

アイスランドおよび捕鯨柔和論

それで、憲法九条について調べるうちにたまたまアイスランドが軍備を持たないとあった。 まあ、人口でいうと、日本とアイスランドはあまりに違うのだが…。 まずNATOに加盟している。 そして、国土防衛は警察隊と沿岸警備隊が担う。 そして、以前はアメリ…

ND型

私の体は酒に強くはない。かといって、まったく飲めないわけでもない。しかしどちらかといえば、弱い方だ。 知人には、一口すらも受け付けないひともいる。また、ざるのように延々飲めるひともいる。しかし多くのひとは、ある程度飲んだら、酔っぱらう。 そ…

ネグリ問題(承前)

さてネグリの映像もこちらにあり、 http://urag.exblog.jp/6943714/ ネグリ以外の活動家への入国拒否にも触れられているが、ネグリ入国拒否問題についてはこちらの記事を読んだうえで考えていかなくてはならない。 http://blogs.yahoo.co.jp/isikeriasobi/ar…

帝国:ニーアル・ファーガソン

正月に「憎悪の世紀」を、正月らしく、ということで買ったのだが、まだ通読していない。 文脈としての人種差別主義に関する記述は、膨大で、面白いのだが、ちょっと疲れた次第。 このファーガソンは、歴史家の若きスターであるが、ブッシュ政権の中東政策を…

(続き)入管・国体・外国人・国家理念

国家は多様な意見や主体を統合する意思決定機関である。その内容はといえば、膨大な書類と法規によって構成されている。 しかるに、「国体」すなわち国のかたち・形式・輪郭がどこで見えるようになるかといえば、ひとつにはネグリ問題でより広く認知されるに…

人工眼とかについて

「Boston Retinal Implant Projectボストン網膜移植プロジェクト」が人工眼の移植の試作に成功したそうな。 まだ限定的な症状(加齢性黄斑変性症)に対してのみ有効らしいが、眼球にチップを埋め込み、細い電線で脳とつなぎ、そこから光信号を脳に送るしくみ…

「悪いこと」:ネグリ来日中止に関する抗議声明

抗議声明が出ました。私見だと弁護士の協力もあった方がよかったような気もするのだが、それはなぜかというに、今回の法務省・外務省のわけわかめの「要請=措置」は、「国益に反する」がゆえ、担当者は損害賠償する必要があるとすら思われるからだ。 テレビ…

ホーム省からのメール

ホーム省からメールが来た。 前略(中略)わたくしどもがなぜネグリ氏の入国審査を厳密にせざるをえなかったのかという理由は、…(中略)…昨今のわが国国内の騒擾やもろもろの犯罪、…(中略)…いわゆる格差社会の現出による社会不満の蓄積…(中略)…などを鑑…

東アジア王朝史年表(一部クラン名表記)

夏 BC1800 殷 BC1550-1027 BC1027-256 西周BC1027-BC771 東周BC771-BC256春秋時代BC770-BC403>BC403-BC221 燕BC1100-BC222 魯BC1055-BC249 晋BC1100-BC378 姫(キ)氏。 智氏、中行氏、士氏、郤氏、欒氏 韓BC403-BC230 姫姓韓氏。 魏BC403-BC225 魏家。 趙BC…

二十五史

http://www.hoolulu.com/zh/ 史記、前漢書、後漢書、三国志、晋書、宋書、南斉書、梁書、陳書、魏書、北斉書、周書、隋書、南史、北史、旧唐書、新唐書、旧五代史、新五代史、宋史、遼史、金史、元史、明史、清史稿の二十五史。

人類学について

また国立民族博物館についてのテレビ番組もさきほどあった。館長の古き良き人類学的観点からの、昨今の応用人類学に対する、「人類学ファンに対し失望を与えているのではないか」という、ぽろっと批判も面白かったのだが、また対話者の鷲田清一さんの、いや…

チベットはチベットである:不幸な意識

中国政府の対応について、北朝鮮、シリア、セルビア、フィジー諸島、ザンビア、シエラレオネ、ベナン、カザフスタン、タジキスタン、キルギス、グルジア、モンゴル、ネパール、バングラデシュの14カ国が支持を示したという。 これらの国のうちのいくつかに…

清以後のオイラート

のちに清が崩壊しモンゴル国がボグド・ハーンのもとに独立を宣言すると、ホブド地区のオイラト諸部はモンゴル政府に従い、モンゴル国に編入された。モンゴル国はアルタイ山脈方面のオイラトをも併合しようと軍を派遣したが中国によって阻まれ、この地方は新…

ガルダンのジュンガル帝国

元ラマ教の僧侶だったガルダンは、ダライ・ラマの後押しを受け、還俗し、オイラト族の一部族ジュンガルの首長となり、のち全オイラトを支配する。 ガルダンはチベット仏教の守護者として、のち、タリム盆地のヤルカンド・ハン国、タシケント、サイラームを奪…

グーシ・ハーン王朝時代

グーシ・ハーン王朝時代(1642-1724)は、ダライ・ラマを信仰する西モンゴル・オイラト族のひとつホショード族のグーシ・ハーンが建てた王朝である。 このへんになってくると、オイラートという中央アジアの雄の話になってきて、かなり膨大で、なかなかいま…

トボットとオイラート

以下は別にツッコミたいわけでなくそうなのかということで。 中国とチベットはお互いに、仲良く過ごした時代もある。最も仲が良かったのは元の時代である。それから明、清の時代と続くが、この時代はたとえば、ナポレオンが皇帝になっても、ローマ法王の認知…

チベットはチベットである:パンダ政治

中国政府への批判が世界規模で繰り広げられているし、私も、中国には強く批判したいのであるが、さすがにトンデモ批判だとちょっと、それはさすがに中国政府ではないが、不公正な感がある。状況的にチベット側の言い分を批判するのはどうかと思うも、批判の…

マートンの官僚制論

居士と士大夫などについてちらちら調べていたら、懐かしい社会学者マートンの官僚制論が出てきた。ウィキペディア「官僚制」。 ヴェーバーが詳しく言及しなかった近代官僚制のマイナス面については、ロバート・キング・マートン、アーヴィン・グールドナー、…

「上陸の拒否」

(承前) 出入国管理及び難民認定法第5条4項「上陸の拒否」には、「日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、一年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者は、…本邦に上陸することができない」とあり、「ただし、政治犯罪…

事態の責任者

責任者出て来い!と思ったら、考えてみれば、法務大臣に決まっている。 法務省http://www.moj.go.jp/ 鳩山邦夫法務大臣、河合克行法務副大臣、古川禎久法務大臣政務官、法務省入国管理局長(調べているが名前が出てこない)らが、ネグリの入国を許可しなかっ…