2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

カラッチ

アンニーバレ・カラッチ(1560-1609)。兄のアゴスティーノ・カラッチ。従兄のルドヴィコ・カラッチのカラッチ一族。ベルニーニ、ルーベンス、プッサンやロランもかなり影響をうけたらしい。 「肉屋の店」(1583)、「豆を食べる男」(1584)の「民衆画」。 当時オ…

黄金

Joseph Mallord William Turnerターナーの「雨、蒸気、速度」は、青と黄色と白と黒で構成されている。この黄色の光が、土や埃であることを措いておくとしたら、黄色い光とはなんであるのだろうか。 夏の夕暮れの光は、橙色だ。その前の色なのか。 ターナーの…

雨、灰、白

はて今日は雨。ひさびさにまったり。私は光フェチだが、なんといってもこの柔らかい、灰色と白とが織り混ざり、「くもり」であるのに、透明な、この光が、大好きである。 静かな時間。夜になれば、闇と戦うことで人間が作り出して来た火のテクノロジーの現代…

トラジコメディ

岩淵先生よりメールを頂いて、ちょっとミュラーとパゾリーニについて。 「…ミュラ−とパゾリーニとでは、岩淵先生を前に発言するのも恥ずかしいのですが、ミュラーがたしかアレゴリーの手法を批判していたのに対して、パゾリーニは、ボッカチオらのアレゴリー…

ルイ・マラン

ルイ・マラン「絵画を破壊する」法政大学出版局購入。 プッサンについて本を探していたのだが、これがそうだった。 カラヴァッジオ対プッサン。マランの文章ははじめて読むが、面白い。訳注1にあるユベール・ダミッシュ「雲の理論」は読んでみたい。

ライプニッツ・17c

sun.セール絡みでライプニッツ関連。「包摂」。 違うものに、同じものを読み取るということ。 ああまさにセールはライプニッツ主義だ。 ラッセルの「西洋哲学史」のライプニッツの項目が面白い。 ライプニッツが当時公表した学説は、ヴォルテールらに揶揄さ…

ソクーロフの蒸気

sat.@新文芸座。ソクーロフ。圧倒的な「エルミタージュ幻想」。でもこの一発撮りって、考えてみりゃ舞台ではあたりまえのことだ。その意味で、映画が勃興して以来、ますます映画と舞台とは離れている(かのように認知されている)わけだが、エイゼンシュタ…

シューマン

fri.稽古のあと、ロベルト・シューマン「音楽と音楽家」購入。 当時すでに忘れかけられていたベートーヴェンを擁護。奥さんのクララにほれまくったブラームスを擁護。そして自分から精神病院に入ったが運のつき、孤独に餓死するシューマン。 完璧なほどにロ…

17cフランスの言語状況

以下、フランス文学の教科書をまとめたどなたかのページより(アドレス紛失)。17世紀 a.宗教戦争からルイ13世の死に至るまでの「前古典主義またはバロックの時代」 b.太陽王ルイ14世の親政が始まってからの20年間の「古典主義classicismeの時代」バロック b…

サドの息子たち:ピエール・ギヨタ+ミン・タナカ

すばらしい時間を過ごすことができた。ピエール・ギヨタさんの朗読/コラボレーションおよびシンポジウム。planBで、田中ミンさんとコラボというだけで、予見されるイメージだけでもはまりまくるのに、実際の姿といったら。すごすぎる。一見するだけで、圧倒…

・セール「生成」。バルザック「知られざる傑作」論。 ・「民衆版画と諷刺画」筑摩書房。パリ国立図書館所蔵のシリーズ。むちゃくちゃ楽しい。諷刺画最高。 ・ルネ・ユイグ「見えるものとの対話1」美術出版社。このルネ・ユイグさん、ネットでこうしてブログ…

モンペリエ ファーブル美術館展

で、「こんにちは、クールベさん」も来ている。たぶん「ボードレールの肖像」「水浴びする女たち」も。○モンペリエ ファーブル美術館展/魅惑の17-19世紀フランス絵画展 ファーブル美術館初来日。ブールドン、カバネル、バジールといったモンペリエ出身の画…

クールベ美術館展 続き

それで、展示されているものの内には、「錫メッキ屋」(1842)、「シヨン城」(1874)、ブラックモンの版画「村のお嬢さんたち」、素描?「法話の帰り道」(これは同じ主題で、板に白で油彩された、ほとんど落書き的なものもあった。)などや、クールベの弟子た…

自然主義

19c

19世紀に、写真術が発明されている。それはとりわけ絵画にとっては相当大きい、それこそフランス革命に匹敵するほどの大きい技術革新だったろう。 で、写真の勃興と平行して、クールベ-マネの「自然主義」が成立する。モネ、ルノワール、セザンヌ印象派もま…

クールベさん、こんにちは

で、クールベ美術館展に行く。駅からすぐ。デスマスク、手の型取り、パイプもあった。クールベの手はかなり大きい。パイプ、シノアズリ風なのだが、どう見ても、中国文字ではないw 中国の文字の変遷については知らないけれど、多分、違う。つまりフェイクな…

ジジェクのブレヒト

同書にはスラヴォイ・ジジェク「フーコーとラカンにおける主体の概念」が収められている。 この論は冒頭、ブレヒトの「イエスマン」「処置」を素材に、ブレヒトの主眼を「倫理的普遍性を宙づりにする倫理的命令」にみている。非常に興味深い論を展開している…

マネ/フーコー

D・ドゥフェールの論考「言葉とイマージュ」(「ミシェル・フーコーの世紀」筑摩書房、所収)は、フーコーの絵画論について報告している。以下、メモ。○見ることと言うことの分節化の問題 ○マグリット:ルサンブランス類似とシミリチュード相似との区別につ…

マネ/バタイユ

クールベの継承者とえば、マネ。 マネについては、ジョルジュ・バタイユ「マネ」。ゴダールも「映画史」のなかで引用している。 邦訳は「沈黙の画家」二見書房。 以下、構成。ジョルジュ・バタイユ「マネ」(1955)1.マネの気品 2.非人称的な転覆 3.主題の破壊…

クールベ美術館展

三鷹市美術ギャラリーでクールベ美術館展が開催されている。 http://mitaka.jpn.org/gallery/案内文より: ミレー、ドーミエと並んで、レアリスムの代表的画家とされるギュスターヴ・クールベは、1819年フランス北東部のオルナンに生まれました。裕福な地主…

ピエール・ギヨタ+田中泯

◎ピエール・ギヨタ(朗読)×田中泯(ダンス) 5月24日【火】19:30開演 予約¥2000/当日¥2300 問/予約 舞踊資源研究所 03-5340-3860 E-mail:artcamp@sf7.so-net.ne.jp @plan B(丸の内線 中野富士見町駅7分) T/F 03-3384-2051 ◎田中泯独舞「赤 光」 …

ラッセル

ラッセルについてのサイト。 http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/

しかもゴッホ展の招待券が有効期限切れだった。これは自分のミス。あほな自分にあえて怒りを向けず(しかしこの有効期限設定とか周到である。動員数稼ぎなんか。いや恩恵を被ることを水に流してしまった負け犬というかあほ犬のぼやき。)、失敗の補填として…

ゴッホ/コナトゥス/狂気

ゴッホ展に行ったら、信じられない行列。すぐにあきらめる。美術館の混雑は、満員電車よりも嫌いであるからだ。これがまあどうしても今後開催されそうにないものなら、我慢するが。しかし、ピカソが人気あるのは分かるが、そしてゴッホが人気あるのも了解は…

イデオロギー基礎論としての判断論

イデオロギーがなんであるかとかいうのも、結局は判断・決定・断罪する前に、どのデータ与件に基づくのかというところに尽きる。いかに判断するか。 価値判断論。 プログラムとして。イデオロギー基礎論として。・カント ・ニーチェ/マルクスの価値論 ・ブ…

18c一般史:革命

リンクともトラックバックともいうのかいまだ分かってないのだが、とまれシュトルム・ウント・ドランクで辿ってこられた方もいる。http://d.hatena.ne.jp/kairiw/20041205で、アヴァンギャルド、…ルネサンス…つまり、「伝統」なるものが、(舞台)芸術の領域…

過去、パサージュ

19c

ノスタルジア-老境とくれば、廃虚への欲望/想像力の話しにも連なりそうだ。廃虚論も最近よく本が出ている。軍艦島なり、あるいは佐世保近郊の崎戸の炭坑の町。あの赤茶けた、集合住宅。… 廃虚といえば、ピラネージである。ピラネージ関連の本も放置していた…

ノスタルジアあるいは老境について

本を読み続けたせいで、眼精痛がひどくなり、一時はなにもできないほどであった。が、復活した。 日曜には、小学校の時の恩師O先生に、nさんと会いに行った。23年振りで、これはまた言葉にならないのである。「再会」は再会だが、23年のブランクと出会う…