笑いのアナーキズム(?)

石岡良治さんの論文http://www.seidosha.co.jp/eureka/200502/ で、おおひなたごう という作家を知る。

おおひなたごう短篇集・遺伝子レベル剣(つるぎ) (Cue comics)

おやつ 1 (少年チャンピオン・コミックス)

面白い。
aも、おばけを気に入った。はがれていくのが。

ギャグマンガといえば、ぼくもaも、マカロニほうれん荘マカロニほうれん荘 (7) (少年チャンピオン・コミックス)
の衝撃を受けて、今日に至っている。
山上たつひこさんも好きだ。とくに、

半田溶助女狩り (プレイコミックス)

半田溶助女狩りは、すごい。プールでのジャンプには、くらくらしたものだ。意味が分からなくて。その無意味さに、痺れ、魅惑された。
らんぽうもあった。
もちろん、漫☆画太郎さんの「地獄甲子園」は世紀の傑作だ。 地獄甲子園 1 (ジャンプコミックス)

ギャグマンガは、笑いというよくわからないが大好きである行為(?)を扱うため、まあいろいろ思いもあるのだが、「半田溶助女狩り」とか「地獄甲子園」のような、パロディではもはやなく、なにが参照されているのか、そのコードが、どうのこうのとかいう話しを突き破るものがやはり好きである。
恐怖と笑いか?よく分からない。でも好きだ。
楳図かずおさんも、泣けながら、笑える。

映画でいくと、憧れの「死霊のはらわた2」。もちろん、パゾリーニ。とくに、「奇跡の丘」。
ヴィスコンティの「ヴェリッシモ」。「ヴェニスに死す」も、笑えながら、泣ける。

サタデーナイトライブとか、モンティ・パイソン
スティーブ・マーチンの「what a hell is that?」…

ジェイムス・ジョイスは、「若い芸術家の肖像」や、エルマンの「ジョイス伝」でのジョイス自身の発言、行動などで、くすぐられた。ベケットにも、笑える。

ニーチェも、笑える。
a、お気に入りのゴーゴリ。…

たとえば、「悪趣味」とか、「サイテー」とか、「キワモノ」とか、のレベルがある。
あれも、感性のコードのぎりぎりの境界線を辿っている、のかもしれない。
知覚、感覚の、拡張なのだろうか。それもあるだろう。
なんにせよ、笑いのアナーキズム(?)は、好きである。
うーん。
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パゾリーニ関連で、なにかないかと探していたら、あった。
白土三平さんのバッコス。

バッコス (1) (小学館文庫―神話伝説シリーズ)

a、おおひなたごう読んだあとだと、ギャグマンガに見える、と。
なんか、すごい。パゾリーニを見てないで、これを当時書いたとしたら、そのリンクに驚くし、パゾリーニの影響があるとしても、こんな受容の仕方、すごい。すごいとしか、いえない、って、まだ全巻読んでないが。さすがに忍者武芸帳やワタリ、カムイ伝などのそれまでの仕事がこのような構想を可能にしたのだ。
パゾリーニにリンクするマンガ、なにかないかと思って、小一時間うろついて、やっぱないかなーとあきらめかけたら、こんなモロリンクする作品があって、このような機会がなければ出会えない作品だった。
解説 四方田犬彦さん。