イマージュオペラ>>コントラ-アタック<<「油田」

イマージュオペラ新作上演のお知らせ


イマージュオペラ>>コントラ-アタック<<

 「油田The Oil Field」

4/26(火)19:30開演
4/27(水)19:30開演

言語素材=P・P・パゾリーニ エズラ・パウンド
振付・演出=脇川海里 
構成・脚色・衣装・宣伝美術=綾原江里/クラフツナータン
出演=野沢英代 相良ゆみ 脇川海里 MAYUMI 吉川裕子
音響・照明=曽我傑 
協力=歴島行成 

@神楽坂die pratze  〒162-0812新宿区西五軒町2-12
TEL&FAX 03-3235-7990
Email:pratze@ask.ne.jp
http://www.geocities.jp/azabubu/

ご予約・お問い合わせ 
tel./fax.03-5373-0536(イマージュオペラ
E-mail: kairiw@hotmail.com

ハイナー・ミュラーを素材とした「トラクトア/トロープス」、デュラスを素材とした「死の病い、居留地にて」に続く今回は、ピエル・パオロ・パゾリーニを素材にします。今日の世界の批判的な寓話となることを目指します。ぜひお越しくださいますようお願い申し上げます。

◎現在、リハーサルは戦争状態。消耗戦が続いております。この戦争が、なんらかの生産性を持っているのか、それともただの蕩尽なのか、結局は、どちらでもいいのですが、まあ、なにやってんのかあという。


−−−−−−−−−−−−−−−
ピエル・パオロ・パゾリーニ
 この「20世紀後半期イタリアにおける最大の詩人」(アルベルト・モラヴィア)は、同時に小説家でもあり、映画作家でもあり、批評家でもあり、画家でもあった。その膨大な仕事の全貌はいまだ明らかにされてはいない…「生命ある若者」「グラムシの遺骨」「ギニア」「マタイ福音書」「テオレマ」「異端的経験論」「サロー、ソドムの百二十日」「石油」「世界は私を求めない、そしてそのことを知らない」… 本上演では、パゾリーニの世界を起点として、パゾリーニの師でもありムッソリーニ支持者でもあった、20世紀最大の詩人エズラ・パウンドの長篇詩「The Cantos」、アフリカ、コミュニズム、資本主義とファシズム、近代性といった主題群を巡りながら、今日の世界を記述する。

過去の力。古代悲歌。黄色い太陽も潰された。
オスティアの浜辺に打ち捨てられた一体の体。残骸の、層のなかに触手。
泥棒と間違われたこの詩人は、ダンテ、ヴィヨン、ランボーの正統なる嫡子であった。
泥炭土のような呪詛の海のなかで。
罵られ、異端審問を生涯受けつづけ、狂人のように彷徨い、野良犬のように廻り、憎悪とスキャンダルに晒されながら、社会に殺害されたパゾリーニ。弟をパルチザン闘争のなかで失い、公式左翼の欺瞞を提示し、<真正性>という油田のなかへ身を投じた…

農民、都市下層民、第三世界の、「民衆」。アフリカの方へ。
民衆の声vox populiを聞こうとするものは、今日いるか?最下層の「現実」とは?「民衆」とは大衆の謂いなのか?それが何だというのか?
神の声も、民衆の声も、聞こえなくなった、わたしたちの耳に入るのは、
ますます匿名化していく搾取、開削機の嘆きだけだ。

ヘドニズムの導入によって、ファシズムをより完全な形で実現した「消費社会」という統治テクノロジー

「真の不寛容とは、消費社会の不寛容である。高みから授けられ、高みが望んだだけの容量しかない不寛容である。それは、真実最も陰険でもっとも冷酷非情な、最低最悪の不寛容の形である。なぜならそれは寛容の仮面をかぶった不寛容だからであり、本物の不寛容ではないからである。そして権力が必要を感じるたびに廃止できるものだからであり、反ファシズムの様式がそこから生まれる真のファシズムだからである。不寛容は、無益で偽善的で、本質的に、体制のお気に入りなのだ」-p.p.パゾリーニ-

======================
 ◎イマージュオペラ・プロフィール
舞踊家にして機会主義者の脇川海里を主宰とし、綜合創作家にして虚無主義者の綾原江里、ダンサーにして全体主義者の野沢英代、ダンサーにして個人主義者の相良ゆみ、研究者にして人間主義者の歴島行成らによって推進される運動体。
主宰脇川は、社会人類学詩学を経て、大野一雄慶人父子、笠井叡らに舞踊を学ぶ。言語研究と舞踊との折衝の場として舞台空間をとらえ、より総合的かつ根源的な舞台創作を目指している。作品に「トラクトアTRAKTOR/トロープス」(HM/W参加作品)「死の病い、居留地にて」「マーカイム」「この懐かしき蒸気」等。客演に、ライムント・ホーゲ「Tanzgeshichten」(Duesseldorf)、「戦争に放じられた身体」、DA・M「Hap Py Birth Day はっぷ ぴい ばーす でい」等。

http://d.hatena.ne.jp/kairiw/