ドゥルーズ「襞」
ドゥルーズ「LE PLI 襞」目次
I 襞
1.物質の折り目 Les replis de la matiere
2.魂のなかの襞 Les pli dans l'ame
3.バロックとはなにか
II さまざまな包摂 les inclusions
4.十分な理由 raison suffisante
5.不共可能性、個体性、自由 Incompossibilite,individualite,liberte
6.ひとつの出来事とはなにか
III 身体をもつこと
7.襞における知覚
8.ふたつの階
9.新しい調和
第一部を読む。以前読んだときより大分、つかめた。窓のある一階=感官、窓のない二階=魂。って、ま、襞があって、折り目があって、ひだひだなもんだから、そのひだひだにそって。
第三章は、芸術論。というか、この本自体、ヴェルフリンとかリーグルとかヴォリンガーを前提に組み立てられている。ラウシェンバーグ、デュビュッフェ、クレー、グレコ、ティントレット、フォートリエ、ポロック。ベテンクールとハンタイは知らない。
ジャン・ルッセ「フランスバロック期の文学」(邦訳筑摩書房)が参照されていた。アングールヴァン「バロックの精神」クセジュ文庫にも。ルッセの本は以前ゾッキ本で見かけたことがあった。買い損ねた。
文庫化希望。
とにかくあいかわらずドゥルーズはおもしろい。バルトやセールのいう意味で、文学こそが真理なのだとすれば、ドゥルーズの文章は、まさに真理としての文学といえる。まあでもルクレティウスでもプラトンでもカントですら、小説といや小説といえる。ジャンルカテゴリーがあるだけで、実際にあるのは、さまざまな文ということ。
弾性についての件、妙におもしろい。p16-
「差異と反復」でも「意味の論理学」でもこの「襞」でもそうだが、ドゥルーズはよく舞台を引き合いに出している。まあアルトー好きだから、当然アルトーの演劇論は基本中の基本参照項なんだろうけれど。
そうなんです。マラルメもライプニッツも、「劇場」だ。「読書の劇場」p56
1-1
バロックの館(アレゴリー)
大理石の縞
ヴェルフリン
ホイヘンス
宇宙の曲線は、物質の流動性、物体の可塑性、メカニズムとしての弾性の三つの根本概念にしたがって伸びて行く。
圧縮の力。p13
物質の単位としての襞
物質における部分分割→曲線的運動/屈折による分解の過程
(数的な分割は、形態発生と、褶曲としての陥入にとっての条件でしかない)
弾性p16
前成説preformation。p16
可塑的な力forces plastiques/圧縮的compressiveな力、弾性的なelastiqueな力 (minuit,p11)
マシニック機械状machinique cf.メカニックmecanique
「モナドロジー」§64
「自然の機械つまり生物の身体は、それを無限に分けていってどれほど小さな部分になっても、やはり機械なのである」
Lady mashamへの手紙「可塑的な力は機械のなかにある」
観点は身体のなかにあるp22
水滴のなかに存続する点のような魂
「死際には、魂はそれがあったところ、つまり身体の一部に、どんなに体積は縮小しても、とどまっている」
「身体のなかですべては物質的な力にしたがって、機械状に成立する」
「物質のなかのいたるところに魂がある」
圧縮的compressiveな力、弾性的なelastiqueな力 p25
1-2
屈折inflexion
ベルナール・カッシュ
オブジェクティル対象体
時間的な変調→質料だけでなく形相の連続的発展をもたらす
たえまない型取りとしてのエネルギー循環
sujetはsub-jetでなくsuperjet(ホワイトヘッド)
観点と主体について。p36
観点とは、任意の主体がひとつの変化をとらえる(メタモルフォーズ)、あるいはなにか=Xをとらえる(アナモルフォーズ)ための条件である。
…le point de vue est la condition sous laquelle un eventuel sujet saisit une variation(metamorphose),ou quelque chose = x (anamorphose).
プロクロス 系列
、ブルーノp42
「個体の統一性としておのおののモナドは系列全体を包摂し、こうして世界全体を表現する。その際、必ずより明晰に世界のひとつの小さな地域、ひとつの区画、町の一地区、有限のシークゥエンスを表現する」45
世界と主体、ハイデガー、ポンティ pp46-7
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