days of DVD

レンタルDVD屋に行くと、80%くらい、アメリカ映画で、ヨーロッパの映画が数枚を除いて、殆どなかった。いやまあ品揃えの悪いところってのはみなそうだけども。
 80円セール?だったので、はじめ10本に翌日にやっぱ借りまくろうということで追加10本、結局20本借りる。おかげで今回の帰省は、中学時代寮からの帰省の時に体験された感覚(ヴィデオを見に帰ってたようなものだったから)を思い出させてくれた。というか、実家でこうしてレンタルヴィデオ・DVD借りて見るのって、何十年ぶりではないか。

サム・ライミ「死霊のはらわたIII : キャプテン・スーパーマーケット」。さすがにおもろいけどやっぱ「II」がいいな。
ブライアン・デ・パルマ「キャリー」。登場人物の髪型とか服装がおもしろい。これってギャグ映画ではないのだろうが…すげー笑えた。あ、でも「エクソシスト」も数年前かに見直したらいくつも爆笑できたものだったから…ホラー映画って時を経ると笑えるものなのだろうか。というかホラー映画=恐怖映画をこどものときに見るのが大好きだったのも、結局、「おもしろい」からだったのか。「恐怖」と「笑い」って、楳図先生に顕著であるが、おもいっきりつながってるようだ。ま今回の「キャリー」の笑いのつぼはおもに風俗とかモードに関するものだったわけであるが。
 ヨハネの黙示録を引用しながら、みだらなことしたからって娘を殺そうとするキ印母親は、キャリーの超能力によって殺されるが(正当防衛)、死に様がなぜイエス像のかたちだったのか。「信心深い」というか「ドグマティック」だった人物と、イエスを重ねたら、冒涜ではないか。よくわからん。あ「あんたが望んでた死に様とはこうだろう?」ということかな。

ロブ・ゾンビマーダー・ライド・ショー」。「悪魔のいけにえ」へのオマージュ、というか、まあなんというか、非常に「趣味的」に感じられた。いや全然共有はできるのだが…なんか違うなあ。
・「アイ、ロボット」。「被造物の悲しみ」を描く好感のもてる映画ではあると思うが、キスシーンがないのがステレオタイプなコード進行上、ちょっと妙。ってまあ恋愛なしにも十分成立するネタだからか。うーん、そういう意味では、「スピリチュアル」なのかも。フィジカルアクションとスピリチュアルアクション…。
ガス・ヴァン・サント「エレファント」。すばらしい。コロンバイン高校乱射事件をモチーフにしたもの。冴えた演出と映像構成とシーケンス。台詞はインプロヴィゼーションだったとのこと。
・「21g 」。こちらは内容はともかく、時間操作が、わざとらしくいやみに感じられた。
・「白いカラス」 。原作はロスの「ヒューマン・ステイン」。比較すると悲しくなる。これだから「文芸映画」っつーのは。原作の100分の1くらいの…って、まあしょうがないか。とりわけ凍った湖の上での会話のシーンには、音楽ではなく、自然音だけでいってほしい、っていってもしょうがないか。…脚本担当者は、あの本におけるアメリカ社会の批判的な分析などカットして、悲恋ものに還元した。
・「ラストサムライ」。「グローリー」の監督。 幻想のサムライ。ここまでやるなら西郷隆盛物語として作ればよかったのに。
 (続く)