古代海人/シャア

谷川健一「古代海人の世界」小学館はまだ読み始めだが、そのなかに「家船の民シャア」という節があり、「シャア」とは、平家の車を守る舎人の車者を由来とする説(「臼杵博識誌」)や、中国福建省のシャ族を由来とする羽原又吉「日本古代漁業経済史」の説もある。
 ガンダム系のひとにとって「シャア」は特別な人であろうが、まあ関係ないかな。しかしガンダム学者に聞かないと分からないとはいえ、あの登場人物や地名国名など、日本産オリエンタリズム(といっても、像の参照対象が西アジアなどだったりするから、オクシデンタリズムか、あるいはメキシキあたりかなんて。)であるかもしれないが、とにかく分け分からなくて面白い。まあいいたいのは、原作者は案外、この柳田民俗学から採集したのかもしれない。
 あと、「シャア」という音で、昔在日朝鮮人の「車(チャー)」くんというのがいて、言語学のゼミでマルティネの本を買うか買わないかなんて、まるで小学生のメンコ取引のようなことをやっていたことを思い出したのだが、シャアー=チャーだななんて思うも、「シャ」が「チャ」の転化であるのは当たり前だった。ただ「シ」と「チ」の音韻変化については、露伴が「音幻論」という絶品考証で書いていたなと思い当たる。手にすると、古代日本語で風を「シ/チ」と呼んでいたというようなことが書いてあった。
 さっとネットで調べたら、マルティネ先生は99年まで存命であられたようだった。
http://homewww.osaka-gaidai.ac.jp/~kamiyama/necroMartinet.htm
 レヴィ=ストロース先生もまだご存命。今年99歳。