名家:白馬非馬

馬走る。

古代中国の言語哲学

古代中国の言語哲学

それはともかく、公孫竜の白馬非馬説=「白とは色の概念であり、馬とは動物の概念である。であるからこの二つが結びついた白馬と言う概念は馬と言う概念とは異なる。」と言う論の持つ潜在力はあらためて考えたい。この本は相当面白そうである。…しかしこの表紙、白馬非馬論を描写しているのだろうか…もしそうだとすると、なんかとても…馬の図像がなければまだよかったような気がする…
 
 中国哲学の古代における驚くべき達成がその後いかに埋もれいかに再読されたのかはこれから調べるところであるとして、まず埋もれた理由は、名家の議論をたとえば「詭弁」として片づけたことがある。とはいえ、西洋でも古代ギリシアというかプラトニズム以降の後世において「ソフィスト」という言葉で片付けられてもいた。あとはやはり王朝の目まぐるしい交替によるか。…学派の内ゲバ、国の内ゲバ(東アジア、日中韓内ゲバも含め)が、その文明を滅ぼす…

 
 そうして今日にいたるアジアの内ゲバを仕組んでいるのが、英米だ、というのは*1、たんなる陰謀理論として片づけるのは簡単であるが、アヘン戦争以来の歴史を考えてもさもありなんで、じっくり調査しなくてはならない。まずはクリストファー・ソーン「米英にとっての太平洋戦争」を読むか。

米英にとっての太平洋戦争〈上巻〉

米英にとっての太平洋戦争〈上巻〉

米英にとっての太平洋戦争〈下巻〉

米英にとっての太平洋戦争〈下巻〉

 いよいよもって冷静沈着に、全歴史的に東アジアを考えなくてはならない。嗚呼難度。
 

*1:http://tanakanews.com/080417tibet.htm この記事についてはまた触れたい。大変な話題だが。