モンスターエンジンの「神々の遊び」

「ニューカマーズサーカス・あらびき団」で、初めてモンスターエンジンの「神々の遊び」を見る。むちゃくちゃおもろい。ここまで日本のお笑いが進化したとは。
 ストローブ=ユイレも真っ青に、はならないかも、だが、ジョイスキートンベケットからモンティ・パイソンを経て、世界のナベアツモンスターエンジン、という系譜で、考えると、世界標準だな、と。
 昨日、たまたま小林信彦の「面白い小説を見つけるために(原題「小説世界のロビンソン」)」を読み、驚くほどピンと来た小説論だった。なんかいい兆候だ。この本は、カルヴィーノの「アメリカ文学講義(邦題は失念)」やクンデラの「小説の精神」などと並んで、小説がなぜすばらしいかを完璧に論じている。
 ま、笑いなしにひとは生きることができない、ということ。

付・そういえば、「神さまぁ〜ず」の女王様(のリモートコントロールみたいなの)も、すごかった。とくに、大竹一樹(脳)が女王様の身体を用いて(主体の二重化とでもいえばよいのか)、三村マサカズに、「寝ろ・こっち向け・仰向けになれ」と指示したあと、はい終わり、という、そのあまりに無意味な、なんともいいがたい(わびさびのような)指令とそれに準じる三村のたたずまいが、けっこう強烈だった。
 こういうプレイがSMの世界であるのか知らないのだが、そしてこのアイデアがすでになにかの番組で先行したものの反復か知らないのだが、指令する主体が二重化されているというこの発明は、天才的だと思う。文楽を発明した日本ならでは?
 「二重化された主人」と「ひとりの奴隷」。奴隷に指示される指令も、当然二重化されているわけだから、なにか、妙な、独特の、不穏な、関係をつくっている。
 
 まあ、マリオネットとか、さっき書いた文楽とか、人形劇の方法ということで考えると、仕組みそのものはむしろ古典的なものだが、実演で見たのははじめてのような気がうする。
 指令系で行くと、むかし正月番組でやってビートたけしの指令系の企画がある。あれもとても面白いが、あれと今回とが違うのは…、同じか…。いや、なにかが違う。