時間をめぐる争い

 殺人事件の時効をめぐって被害者の会が記者会見をひらいていたのをテレビで見て、たしかにたった十五年で時効成立というのは、人道的に考えておかしいとおもった。
 かのアメリカ合衆国のたしかロスでは殺人事件に関しては時効なしということで、あの三浦某は逮捕された。
 時効については法学があいもかわらずこちゃこちゃ「理論的に」説明しているのだが、わけわかめ
 ま、債権に関してとか、民法の領域に関してのことではなくて、議題は殺人事件である。
 十五年という設定はどこから来たのか、範となった欧米の法制からなのか、鎌倉時代とかからの慣習法が由来なのか知らないけれど、まさか捜査費用のコスト削減ということではなかろうに。
 
 さて、他方、青空文庫さんなどの署名運動を通じてなんとなく気になっていた著作権の保護期間延長問題については一応、今年一月の時点で見送りになったようだ。
 
 前者の殺人事件の時効延長問題にはおよそ利権は絡んでいない。後者の著作権の保護期間延長問題には利権が絡んでいる。
 前者はあまり議論されているようには思えず、後者はがんがん法制化に向けて進展している。
 あな利権やおとろし。
 まー、事の発端は格安DVDだったわけで、そして画質の悪い格安DVDで利権をむさぼろうとする会社に対して私は一切同情もできないが、映画製作会社としては赤字補填でとにかくDVD収益でなんとか投資分でも回収したいのだろうけど、それならそれで商法のなかでなんとか議論すればよいのではなかろうか。
 著作権が創作者に帰属するのは当然だし、これはまあ当人が死亡するまで存続する権利であるのだろうが、問題はその権利の継承で、つまりは利権の話しである。というか、こういう利権の次元と、むしろ所有権とかに近しい著作権の次元とは、土台全然違う話じゃなかろか。

 一時はCDなどでも業者や第三セクター(つまり天下り先的な)◉◉◉◉Cが暴走していて、もうCDを買うのをやめようと思い、事実、それまでは年間に数十枚以上は買っていたのを止め、一年に二枚程度に収めるようにしたものだった。
 利権が生まれ、そこにマネーがたまりだすと、あの手この手でなんとか搾り取ろうとする(文字通りの搾取)連中は、この世の壁蝨以外の何者でもないため、そういう連中の息の根を少しでも止めるために、そのような利権と欲望が渦巻く悪循環は、当然断ち切る必要があるから、そのためにも日々、なにを買っているのかについてはできるだけ正確に認識していかないといけない。

 まあ、時効にまつわる議論よりも、著作権保護期間延長にまつわる議論がかまびすしいので、優先されるべきは利権なんぞよりも人道であると、徂徠風に。