講演「否定芸術論」の御案内

ドラマ・ワークショップ「プラトン『国家』を読む」は、結局、第一巻を逐一輪読というかたちをとり、適時コメントを差しはさんでいった。一人で読むと、つい速読法を使用するくせがついているから、ソクラテスのしつこすぎて、はっきりいってどうでもいい「論証」=弁論の部分なども、実際に、読み合わせることで、そのしつこさが倍加され、結果、読書があらためて「体験」であるということを知った。これはひとりで読んでても、むろん時々思うことではあるが、文字通り「共読」するというこの形式において、より感じる。

 さて、そのプラトンの芸術追放論もまきこんで、「否定芸術論」という講演会を開催します。

TAGTAS/FORUM


 否定芸術論


・日時:7/13(火)19時開始

・場所:Spaceカンバス 東京都文京区湯島2-4-8五十嵐マンションB1地図はこちら

・アクセス:JRお茶の水駅より徒歩5分   

・参加費:1000円

・問合せ:tagtas@gmail.com(予約不要)

・詳細→http://d.hatena.ne.jp/tagtas/

ユダヤキリスト教偶像崇拝の禁止、イコノクラスム、プラトンやオリゲネス、そして20世紀のアドルノや表象批判論、表象不可能性の問題まで、「否定芸術論」の系譜をたどりながら、なぜ芸術は禁止されてきたのか、いかに芸術表現が禁止されるのかを、あいもかわらず世界史的に考えます。
 実際、これら「芸術の禁止」または「芸術の否定」の問題は、2005年に一般公開したベルリンのホロコースト記念碑をめぐる論争や、ジャン=リュック・ナンシーやジュルジュ・ディディ=ユベルマンらの近年の議論をみても、まだまだ解決されていない。それどころか、ひとそれぞれとはいえ、多くのひとが、これらの問題を考えるにあたり、ある地点で考えることを放棄する場合がほとんどである。もっとも、「遠い」日本では、これらの議論があることさえ、十分に周知されてはいない。むろん、これらの、いわば「不可能性の神学」は、欧州の要のようなところであり、、、、(寝オチ)