たくらみ、デュッフェル

kairiw2004-12-19

上京してきてた祖母と母親と、銀座、宮川でうなぎ。
 しかし、宮川、うめえなー!あいかわらず。
 歌舞伎座で、ボーナスとして(というかおこづかいとして)うなどん分のチケットをもらって、はじめて食べに行って、ひとりで感動したのだ。
 歌舞伎座のそうした風習(?)というか、労働者(というか大道具だから、職人か)への気遣いというのは、江戸時代以来の、ある伝統を感じたものだ。こんな気のきかし方、もうこの先、なくなるんだろう。
 
 商談。

 うーん、会社を潰すのは、やはりあほなんで、どうにかせんといかん、とうことで、話は、延々。

 他人待ちではない、自らすすんで、経済はやっていかないと、やばい、ということで。
 企み。

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書類を整理してたら、J.von.デュッフェルさんの講演のメモがでてきた。2002年10月1日。ドイツ文化会館。

現在において、演劇はどうなってるか。
演劇の歴史において支配的だったアリストテレス/時間ー空間ー筋について。

空間は、今日の舞台では、それは、台所であり農家の部屋。
    昔の舞台では、それは牢獄、黙示録的風景とかだった。

時間:速度があがって、不均一。

ひとつの決まった筋書きはほとんど不可能。

散文的現実。

現実と芸術との隔たり。

東京では、劇作は不可能のように思われる。MTV的、ヴィデオクリップ的方法なら可能かもしれない。
 パースペクティヴつまりなにが遠くてなにが近いのか分かりにくい。

・素材の選択について。

小さな断片を切り取って、ふたたび集中/集めてやっていく方法

イェリネク:スポーツ:スポーツについての議論をクローズアップ。
ラインハルトゲッツ?:レイヴの言葉を形式化していく

シェイクスピアチェーホフブレヒト:演劇を世界のモデルとして考えていた。

今日の劇作家は、全体を全体として提示できず、断片のみで提示する

デュッフェルの最近の作品:バルコニーの情景。

断片から全体の構造を見るやり方。

節約/省略の方法。

タールハイマー演出「たくらみと恋」シラー。

舞台上になにもない。小道具(ヴァイオリン、レモネード)の省略。
俳優は、たがいを向くのではなく、観客に向かって、喋る。
ショーケースとしての舞台。
俳優も、感情表明や関係をはぎとられている。
俳優のなかの核心に迫る。
体が反応を起す。演劇のパラドックス。→現実の核心に迫る。
役柄も同様、コルセット/狭いところにはめこまれていて、それがあるとき爆発するような仕組み。
俳優だけでなく、作品の人物そのものにも起こる。
かつての、「かのように」の演出モデルではない。

ふたつの方法
 ストイックな方法
 エクスタシーの方法

ポレッシュの舞台でも、禁欲と恍惚の逆転がある。

プロットは凝縮され、中核にいたる。現実の表層の細部はカット。

俳優の同一性を俳優が説明する。論文のような理論的な話し方。
お互いに苦しめあう(つっこみあう)

音楽的コスモスーサウンドトラックのような

音楽によってストーリーが語られているハムレット
ノローグは短縮。
電報のような文章。sein,nein sein,fragen.

人工的自然
ゴーリキーどん底:通行人に貧困を提示するという設定。

今日の狂気、絶望。
狂牛病のパニックの核心はなにか?

「演劇の貧困」について:
逆境ではあるが、それはまたチャンスでもある。たまねぎの皮。

メロドラマは見られなくなっている。

表面の下にイメージが封印されているような印象。クールネスの文化。

感情の葛藤を提示することをやめてしまった。

サラリーマンのキャリア志向:マクベス

演劇の確実性が失われていく

絶叫が起こりそうで起こらないような作り方。
クライマックスの不在

怖れの感情について:イプセン人形の家

ダンスと演劇について
1。リズム  
 言語のリズム=モノリズム。ストレートプレイの演劇
 言語のリズムのなかの争い=会話のリズム

 
2。身体性:役=人物の身体(父、子)をとらえることができるか

 身振り/マイム

 恋人:手が触れるか触れないか、指先だけ触れる。
 触れない。

 バートルビー
 ポジションで耐えられなくなる。

なにもおこらない/退屈/からっぽな演劇はよい演劇なのか。

演劇でいちばん大切なのはエモーション。
感情をいかに伝えるか。

知覚の習慣をリフレッシュ。
悲しみー喜び/感情の起伏を体験。感情教育

ケミッヒのカタルシス
cf.感情の停滞

方向はばらばらだが共同戦線を張っている。

博物館的な、「現実」とか「社会」の博物館とか、保存型の演劇ではなく、ほんとうの現実に根ざした舞台を。
それは、失われつつある現実性を取り戻すということ。

マルターラー:タンツテアターの影響で、時間ー言語のリズムを再構築した。

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アンドレ・マソン「寓意の図像学」原題l'allegorieクセジュ文庫(しかしこれは新書ではないか?)
 吉岡実詩集。ひさびさに開いた。すごいよなー。信じられない。ぼくは勝手に、フランシス・ベーコンの絵との類似性を感じる。
 日記も面白い。ブログのおかげで日記をつけはじめたが、そうかー。