ニッポンとブレヒト

kairiw2004-12-18

現在は、上演よりとりあえず解放されているので、好きに本が読める。上演を控えると、どうしても直接関係するもの以外は、隠れて読むかたちになってしまう。事実、そんなー、本読んでるひまないよねーとかって、野沢さんに本を取り上げられたこともあった。
まー自分のソロ公演なら、あんまり言われもしないが、群舞だと、しかたない。って、あたりまえなのだが、ぼくは自明性が喪失しているもので。あの本、どこいったんだろう。
 最近はバイトも休んでいる。代わりに、年末はちょっと忙しいが。
つまり、休暇だ。
 いやーでも、学生でもない限り、こうした休暇も、通常の労働をしていると、とれない。余暇については、ニッポンはひどいよ。でも、アメリカもそうだとか、ヨーロッパも最近はそうでもないと聞いたことがあるが、それでも、朝から夜11時まで働くってのは、前、綾原がやってたが、ほんと「女工哀史」かよ!何十年前の製糸工場と、時間の搾取は、同様であるというこの現実。ファック!
 もうこれは、この10年、綾原と議論してきたことだが、そんな「残業」だなんてさ、仕事なんて、終わらないもんなんだから、次の日に回せばいいじゃないかと思うのに、「ひんしゅく」を買うらしい。ぼくはぼくで職場での「闘争譚」もあるのだが、この時間資本主義というか、ニッポンの労働条件は、ひとこと、あほだよ!
 分配すればいいのだ。年間3万人が自殺し(と、統計ででてるらしい)、若年層に無職感覚が蔓延しうんぬん。失業保険も出るわけでもなく、エコノミストは「やばいですよ」とかしかいわない。しかしエコノミストというのも、予測で商売しているわけだが、占い師といっしょだよな。この点、絶対にブルデュ−が正しい。社会科学において、つまりこと社会的事象に関しては、ほとんど「予測」は不可能なのだ。といって、分析が無益だというのではない。市場分析と、未来の予測とは、まったくレベルが違うのに、それらを混同させながら、連中とその支持者=読者=マスコミ=テレビのニュース番組は、もっともらしく、述べたてる。
 なんの説得力もない。つまり、イデオロギーだ。
現在のニッポン・イデオロギーについても、かの虐殺された戸坂潤のように、あらためてやんないと、だめだ。戸坂潤。懐かしい。高校生のとき、ぼくをマルクス主義者に仕立て上げた和田先生から教えてもらって、その後、全集まで購入した。数年前、売却してしまったが…。
 
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●「ブレヒトの思い出」法政大学出版局
エルンスト・シューマッハー。寓話について。

カーソン・マッカラーズ「木・岩・雲」。おやつとして。しかし、マッカラーズ、年譜というか経歴みたら、すごい。だから、「夏の黄昏」みたいなの書けるのか。あの本、なんで買ったんだろうか。でも、非常に印象深い本だ。

ブレヒト「亡命者の対話」晶文社。最高である。本当に最高である。20世紀で、もっとも偉大な作家は、カフカでもルネ・シャールでも、フーコーでもなく、ブレヒトだー!!っていいたくなるくらい、最高っす。斜読みだが、もう、これは、聖典に近い。ああ。

亡命者の対話 (ブレヒト・コレクション 4)

亡命者の対話 (ブレヒト・コレクション 4)


●野村修「スヴェンボルの対話」平凡社。これもいい。文庫にすればいいのに。
●「ブレヒトの詩」河出書房新社。もう、マリー・ファーラーはなんど読んでもいいなあ。

ブレヒトに熱中した勢いで、たまらず、ロラン・バルト「エッセ・クリティック」を購入。ぱらぱら見てると、なんだ、これが代表作じゃないかと思う。

エッセ・クリティック (晶文全書)

エッセ・クリティック (晶文全書)

 「サド・フーリエロヨラ」も「旧修辞学」とかなんとかもいいが、これでしょう。
「物語の構造分析」とかじゃなくて。

ブーレーズのベルクとボロディン(for綾原)購入。

最近、日本酒を飲みつけてしまった。風呂あがって、日本酒飲んでると、温泉気分。
むかしは、よく旅行もいっていたが、ここ数年、とくに舞台にか関わりだして、とんといかなくなった。
 それの理由。交通費が高すぎる!JRとそれに準じる私鉄もあほきわまりない。
だいたい、飛行機より高い新幹線って、なに?
 福岡まで17000円が、飛行機の格安チケット料金。新幹線だと、25000円。
そんな、たいして早くもないくせ、なにが25000円だ。
 フランクフルトからハイデルベルクまで、各駅でいったが、3000円いかなかった、たしか。
 とにかく、イタリアでもフランスでもドイツでも韓国でも、地下鉄は、ニッポンより、安い。
 高いから、みんな車に乗るということが分かってない。もう手の内がようがないのか。最悪です。ニッポンの交通事情。
 
ニッポンの物価が高いとは、むかしからよう聞いたが、なんで変わらんの?

なにが原因なのか。人工密度は、たしかに高い。フランスの4倍だったか。なら、なんでむこうは交通費はニッポンほどではないのか。
 国内旅行も、したいのに、高いから、あんまり値段変わらないから、海外へ行く。
この辺の経済の話しは、ようわからんのだが、有効需要の法則だったっけ、ケインズ先生の観点からみても、まずいだろう?たぶん。

 ひとりのニッポン人として、一消費者として、こう思う。

 べーさん。この辺、どう?
 前々から電話でもこのへんの話しいってたけど、あんた、食い付きませんわな。
 ソヴィエトも重要だが、こうした生活レベルに関わるところ、ほんと、どう思うの?
 「病気」は関係ありませんわ。