フランク・カストルフ/ベルリン・フォルクスビューネ「終着駅アメリカendstation amerika」

@世田谷パブリックシアター http://d.hatena.ne.jp/kairiw/20050222

2時間40分。歌舞伎のような「大舞台」という印象。いままでヴィデオ上映会でカストルフの作品は二回ほど見て来たわけだが、生では初めて。いろいろなことがより分かる。ハイナー・ミュラーの流れのことや、ルネ・ポレッシュなりなんなりの、つまりドイツ演劇の中心にいる演出家の舞台がなんであるかを見ることで、「ドイツ演劇」の線が引けた。これで、今度はミュラー演出の「アルトゥロ・ウィ」が来ることで、さらに見えてくるのだろう。カストルフの他の舞台も、ゲストゥス=身振りや、色彩の豊かさや、散逸=散らかることなどは、その特徴として、見て取ることができるが、今回もまたそうだった。とりあえず、開演間もない時点での、色の運動=色鮮やかな照明には、眼というか心を奪われる。はっきりいって、もうこれだけで、満足できた。ポーランド移民といえば、トーマス&ズナニエツキ。サタデーナイトライブの「チーズブルギチーズブルギ」もポリッシュ。デュッセルドルフのサミール・アキカさんの舞台がちらつく。まあ比較にならないが。でものアキカさんの舞台、あのダメっぷり、あのバッドテイスト、実は嫌いではない。それにしても、ルネ・ポレッシュさんはカストルフに多大な影響を受けていることが分かった。それにしても、充実した、楽しい、演劇らしい演劇、つまり王道演劇であった。
(備忘:フォルクスビューネへの年間助成は15億円くらいらしい)