ロメールII

いま、いきなり、aから、ロメールの「緑の光線」がなぜ好きなのか、いかに男のひとは、あれを楽しむのか、と聞かれ、豊かな滋味というか、なんというか、「かわいい」(笑)んだもんね。ああいう物語りの快楽、王道中の王道、うーむ、あれを論じろというのか(笑)。論じることはできないな。やっぱり、あの女性主人公に、まさか同一化するわけではないが、あの人物の感情が…、いや違う。aもいうように、あの人物の性格キャラクターが魅力的なわけでもない。あの人物は、放浪し、ある悲しさの感情に導かれ、友人の知り合いの避暑地へ赴き、ああでもない、こうでもない。そう、逡巡するんだ。そして、その逡巡のあり方が、やはりリアルで、その逡巡という行為に、アイデンティファイするんだ、たぶん。そうして、あの女性は、また観察者でもある。通り過ぎるひとびと。馬鹿な男、馬鹿な女…。そして、夕方の海辺で、4人の老人たちの話しを、耳にする。そのうちのひとりは自然科学者で、「緑の光線」について、説明する。夢のような美しい、自然科学のエピソード。そして、駅で、あるおとなしめで、インテリ(笑)の、ヤサ男に、出会い、二人で、「緑の光線」を、奇跡的に目撃する。すてきな話である。大好きである。「冬物語」も、ああよかったねえという話しであった。「春のコント」は、ソール・ベローの「盗み」にも似た、これまたすてきな、なくしたものを見つける話。って、これ、前、書いたことだ。http://d.hatena.ne.jp/kairiw/20041211