ラ・トゥール

日本で初の、そしておそらくは最後の(と「御挨拶」に書いてあった)ジョルジュ・ド・ラ・トゥール(1593-1652)のレトロスペクティブ。@国立西洋美術館 〜5/29日まで。

カラバッジェスキといわれたラ・トゥール。でも、松明の光源を画面内に収めるというのは、カラヴァッジオにはなかったという。なるほど、それで、夜の画家。
 夜の解放。
 それにしてもこの石膏感覚というか、石鹸みたいな皮膚感覚、というか肌、テクスチャーのつるつるした感じ、クールベにもバルテュスにもある。フランス的感覚なのだろうか。といってもロレーヌ公国だが。
 ジャック・カロ(1592-1635)と同郷・同時代人。ジャン=マリー・ストローブもロレーヌ人。「ロートリンゲン!」。

 それにしてもラ・トゥール、20世紀まで忘却されていたとはすごい。まだ他にもこうした埋もれた画家がいるのだろうな。たしかに、ケルンの美術館にいったとき、そのすごい数の絵と、また名前を知らない画家の数には驚いたものだった。ヨーロッパの懐。