公認を巡る争い

それにしても、ことは舞台に限る問題ではない。内野さんが注で引用されているリチャード・シェクナーのことばに、「ポストモダニズムが、かつてのモダニズム同様、完全に制度になったということです。モダニズムは破壊や新しさというものを基軸に成立しました。ポストモダニズムは再利用と再編成によって成立します」というのがある。

また、いま読んでいる本にあったパブロ・ピカソの言葉に、「芸術がひとたび公認され、誰にでも理解できるものになってしまうと、その時、新しいアカデミズムが生まれる」というのがあった。

このふたつの言葉=認識に表される事態について、である。

どこから攻めればよいか?


とりあえず、このあたりの領域内政治?みたいな話についていつも思うのは、正論であるがゆえに少々退屈にも感じられるブルデューのchamps場・界の理論である。(といってもブルデューのスタンスは「記述」にあるので、読み物としての「思想」ではないわけだから、「退屈」などといったってなんにもならない)

 ある領域における承認を巡る争い。
 公認=公式文化と、非公認=非公式文化の争い。

で。