ラクトフルーツ

先日、近所のスーパーで入手したアイスをなにげなく口に入れた。
瞬間、これだ!あれはこれだった!と記憶の神経系?が総出で騒いだ。
20数年前、西九州は佐世保の交通公園前の屋台アイスクリームが、おいしいなと当時私は思っていたのだが、それがおそらくはこのオハヨ−乳業のラクトフルーツだったのだ。黄色くて、絵本の中に出てくるような。(「アイスクリームおじさん」という題だったかどうか覚えないが、ロシアアヴァンギャルド風のデザインの絵本も同時に想起される。)
夏の白い光に比べて、その黄色は中途半端であった。その色は涼しさを感じられるものではなかった。だがその独特の味はそこでしか食べられなかった。少なくとも、駄菓子屋にはなかった。売ってあったのかもしれないが、それがそれであると認知するよしもなかった。
あの数度しか買うことのなかった屋台もないのだろう。おじさんの顔もほとんど覚えていない。もしかしたら、わらびもち屋台のおじさんと混同しているかもしれない。
あの屋台はないだろう、と書いた。しかしそれは分からない。もしかしていまだにあるかもしれない。別の屋台があるかもしれない。ノスタルジアの感情を消去すれば、アイス屋台は、オハヨー企業の代理販売店=出張店であった。
 オハヨー乳業のアイス。ラクトフルーツ。
http://www.ohayo-milk.co.jp/products/index5.html
 で、このオハヨー乳業、別の商品に「無添加のむかしなつかしアイス」という商品を作っているが、懐かしいのは、添加物が入ったアイスの方だ。「戦後」の味、公害の時代、「ウルトラマン」の風景(むろん他にも山と参照項はあるけれど、「風景」といえば、ウルトラマンシリーズと仮面ライダーシリーズの背景としてのその時代の風景が、「幼年期」の風景表象としては、焼き付いてしまっている)、つまり昭和時代。