ものすごく久しぶりに図書館に行く。思えば図書館に行くひまも今年はなかった。科学哲学者のアドルフ・グリュンバウム「精神分析の基礎」産業図書の一部と、メラニー・クライン著作集誠信書房の一部をコピーする。グリュンバウムというひとは、科学哲学の大御所の一人らしい。ゲルナー精神分析論The Psychoanalytic Movementにも触れてあって、面白そうだ。
 古本屋で、ポーリン・ケイル「今夜も映画で眠れない」東京書籍。批評される映画のラインアップが、私の10代にかぶるので、たまらない。サブタイトルというか、タイトルに添えられた一言に、たとえば「コクーン」には「人生の押し売り」、「スタンド・バイ・ミー」には「劇場を出て五分もすると霧散霧消してしまうノスタルジア」とか、「グッドモーニング・バビロン!」には「気恥ずかしさが先に立つ」とか、「ロボコップ」には「変態パンク風SF復讐ファンタジー」とか、「グッドモーニング・ベトナム」には「ロビン・ウィリアムズが哀れ」などとあって面白いのだが、「エイリアン2」のが「それほど怖くない」とあったのには笑えた。
 ほか収穫物には、
・インゲボルク・バッハマン「三十歳」白水社
ジャック・ラカンディスクール」弘文堂
(絶版のようだ。「東京におけるディスクール」「ラジオフォニー」所収)
・スチュアート・シュナイダーマン「ラカンの<死>」誠信書房
バートランド・ラッセル「私の哲学の発展」
マルコ・ポーロ「東方見聞録」東洋文庫
など。