レクシスとミメーシス

ミメーシスという語が持ち出されるのは、詩人の語る物語から、詩人の「言語コミュニケーションの技法=レクシス」の問題に移行するときである。(392d5)
すべての言語コミュニケーションには、記述的な方法と劇化の方法とがある。
せりふと陳述。せりふは、劇的に表現されるミメーシスの実例であり、陳述は、「単純な叙述」(392d5,392d7.394b1)、いわば三人称による直接的な物語の実例である。
→従って、叙事詩は全体として混合型の構文の一例であるのに対して、劇詩は模倣的な構文しか例示しない。