「モダニズム」と「社会」

「歴史」や「伝統」を軽視する浅薄な「ポストモダン」と、「モダニズム」とは関係がない。また「シュルレアリズム」問題はこの派生問題である。また「遊離」した「近代」と、「リアリティ」=「実感」との対極関係については、そもそもその対極関係は問題とはおもわれない。どこに「落ち着きたい」のか、どこに「向かいたい」のか、その目標となる地点が問題なのであり、あるいはどの「敵」にむけての「抵抗」であるのかによって、座標軸はそのつど変わる。
 「近代文明」と「モダニズム」とはたしかに次元を異にするように見えるが、政治社会的なレベルと美学レベルとを分離することは「専門分化」の作法にすぎず、「モダニズム」はもっとひろく世界との関係の仕方あるいは態度を問いあるいは記述するものだったのであり、「芸術」もそのようなものであった。