石橋湛山

先日、石橋湛山についてのテレビ番組を観た。石橋湛山については、それまで名前くらいしか知らなかった。こんな素晴らしい政治思想家だったとは。
 経済合理的な観点からの、植民地の放棄。大日本主義に対抗する「小日本主義」のヴィジョン。進駐軍経費削減をGHQに訴え、中国・ソビエトとの国交回復への努力とそれへのアメリカの反対の撥ね付け。岸信介アメリカニズムとの折衝。
 そしてなによりも、1959年、中国とアメリカが緊張状態にあるなか、私人として周恩来との会談を実現し、日中米ソ平和同盟の構想を示し、両者は合意する。このことで、中国による台湾への武力行使は抑えられた。
 朝鮮戦争の反復がこのとき「台湾戦争」として勃発寸前だったのを、冷戦構造を「超克」するかたちで、抑えた批判的理性と勇気には、実に畏れ入る。
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