2,パンアジアニズム

メルボルンでアダムさんといろいろ談話したが、そのなかでPan-Asianismの研究が方々で進められているということを聞く。
Caydinという研究者がいると聞いたが、ネット検索したところ、見当たらず。

最近、人と話してて、どうも自分のネット検索力がいつのまにかかなり高くなっていることに気づいて、へーと思ってたところだが(ネットサーフィンのなかでいつのまにか身に付いた能力なんだろな)、まそんなプチ自慢はともかく、どうもAYDIN,Cemilさんのことをいっているのだろうと思われる。

 http://www.history.uncc.edu/aydin.htm

トルコと日本における近代化と、そこにおける「オクシデンタリズム」つまり、「西欧」というのがそこではどんなものとして想定されていたのかを研究しているようだ。
 この手の研究はむろん日本でも行われているが、どうしても日本限定のアジア主義思想の研究に傾いているような気がしてならない。

まあ、まだ竹内好大川周明らの著作を読む段階であるということかもしれないが、そしてインドとの関わりについては、中島岳志さんらがやっておられるが、トルコまでを射程にいれたものは、チェックしていないが、少なそうだ。

 ベネディクト・アンダーソンに教えてもらったところでは、20世紀初頭、とりわけアナキズム社会主義運動は、今日から想像される以上に、世界同時平行的で、情報/思想におけるグローバリゼーションはといえば、下手すると、今日よりも進んでいたかも。特に日本の状況についてはことさらそう思える。まあ、この18世紀の革命思想の伝播&ヴァリエーションについても、マクロに見ないといけず、私の現在の推定では、どうも宗教改革宗教戦争)あたりが起源である。実際、ルターとトマス・ミュンツァーとの争いは、その後もずっと変化しつつ反復される…。

 オスマン帝国の歴史も押さえないとな。

Cemil Aydin氏の本には、「The Politics of Anti-Westernism in Asia: Visions of World Order in Pan-Islamic and Pan-Asian Thought 」(Columbia U.P.)がもう出てるようだ。

 これも読みたいが…。

あと、Sven Saalerの「Pan-Asianism in modern japanese history」(Routledge,2007)

Pan-Asianism in Modern Japanese History: Colonialism, Regionalism and Borders (Asia's Transformations)

Pan-Asianism in Modern Japanese History: Colonialism, Regionalism and Borders (Asia's Transformations)

も教えてもらった。

Sven Saaler(スヴェン・サーラ)さんは上智大学で在日本中だった。
個人サイトあり。
スヴェン・サーラ

シラバスを見ていたら、上記Cemil Aydin氏の論考が「The Asia-Pacific Journal;Japan Focus」に掲載されていた。
 
Cemil Aydin「Japan’s Pan-Asianism and the Legitimacy of Imperial World Order, 1931–1945」(2008)