3-4. 思考の自由、運命論に抗う
それでも、この矛盾を私なりに克服したい。そこから、思考の「自由」という問題へとコンテクストは拡張されたのです。
上部構造は、下部構造によって、規定される。しかし、人間は認識を変えれば、行為も変えることができる。「選択」の問題はまさにここにはめることができる。(「選択の自由」を順正当化的につまりイデオロギーとして使用する特殊な場合と、一般的な行為論あるいは理念的な問題としての「自由」という場合との差異)
それゆえ、ひとは下部構造をも、批判できるのではないか?
資本主義社会に生きているのだから、資本主義を批判することはできないという、批判封殺論と、下部構造還元論とは、じつは同じ認識論的立場である。
これは、私はこういうのが分りいいのでいうと、運命論である。
対し、私は自由意志によることで、批判行為を、正当化したい。
つまり、資本主義を批判することは、自由である。